Rの日常 Ⅳ 熱中症対策
梅雨も明けて、セミが盛大に鳴き出してまさに盛夏を迎えましたね。
最高気温が30℃を越してくると、「熱中症に注意‼」とテレビでも盛んに注意を呼びかけられます。
・無理せずにエアコンを使用する
・こまめに水分を補給する
・多量に発汗した場合は、塩分の補給も忘れない
確かに、個人宅に伺ったときに、外気温35℃を超えているのに、エアコンも点けずに、エアコンがない場合もありますが、扇風機を弱めに回してしのいでおられる場面に、ちょくちょく出くわします。
なので、テレビでの注意喚起は必要とされるのでしょうが、あの画面を見て、紋切り型の注意で、どれほどの効果が上がるものか…
直接説明しても、「別に、私は暑くないの…」とエアコンを拒否される方は、やはりいらっしゃいます。
「R」さんの場合…
非常に痩せておられるので、寒さにはとても敏感です。
「暑くないの…」タイプです。
しかし、介護施設で生活しておられますから、居室には、常識的に、半ば強制的にエアコンが28℃設定で点けられています。
熱中症対策でしょうか、そんな施設のエアコンは少々効きすぎている印象あります。
「R」さんには、それが寒く感じてしまわれます。
別の患者さん、末期がんの患者さんもエアコンは嫌われます。「寒い」と
寒かったら、自分でエアコンを消せばいいのですが、それがRさんにとっては、なかなか難しいことになってしまいます。
そもそも、エアコンのリモコンは、お年寄りには扱いにくい、手ごわい物のようで、液晶の小さい文字表示、小さいボタン、ベッドサイドの隙間に入り込みやすいコンパクトなサイズ。
「冷房」と「暖房」を間違えて押してしまって、という例がRさん以外にも、これまで何度かありました。
熱中症対策として、かけられたエアコンのもと、寒くて冬用の羽毛布団を被っているRさん。
真夏に、手足が冷たくなっている患者さんもよく見かけます。
また、エアコンにより適度な温度設定がなされているのに、水分補給が過ぎてしまうと、余剰な水分が「水毒」としてふるまうことがあります。
それに、夏場は塩分をたくさん取らないといけないと思い込んでおられる患者さんもおられます。
結局は、一人一人の患者さんの状態に合わせた「熱中症対策」が必要になってくるということでしょうか。
また、報告します。