変形性膝関節症

腕・脚

中高年に多い膝の病気に、変形性膝関節症があり、日本では男性で860万人、女性で1670万人が推定されています。

なんと50歳以上の2人に1人が当てはまるとのことです。(東京大学 the ROAD study 2009)

膝関節は、太ももの骨である「大腿骨」すねの骨の「脛骨」膝のお皿と呼ばれる「膝蓋骨」の3つの骨で構成されます。

大腿骨と脛骨が接する面は「軟骨」で覆われ、軟骨と軟骨の間には「半月板」と呼ばれる弾力性のある組織が、衝撃を吸収するクッションと関節の形を柔らかく維持するスタビライザーの役目を果たしています。

膝に負担がかかり続けると、次第に軟骨がすり減り、軟骨のかけらが膝関節を包んでいる「滑膜」を刺激して炎症を起こします。

このように、膝関節の軟骨がすり減ることで起こる病気が、一般的には「変形性膝関節症」と呼ばれています。

その進行程度で、

軽 度:立ち上がる時に膝が痛む、膝がこわばる、動き始めに膝が痛む

中等度:正座がしにくい、階段の上り下り時に膝が痛む、炎症が起きて膝に水がたまって腫れる

重 度:安静時にも膝が痛む、痛みで目が覚める、歩くときに膝が不安定で横揺れがある、歩行が困難になる、膝関節の変形が進んでいる

以上のような症状が出て来られます。

膝の痛みが強いと外出が苦痛になり、引きこもりがちになり、周囲の人々と疎遠になり、うつ状態、高齢者では認知症や寝たきりの引き金にもなりかねません。

重度の場合には、人工関節置換手術などの適用になってこられます。

 

当院にお越しになられた患者さんの大半は、先ず病院での治療を受けられています。

レントゲンによる診断、塗布薬、湿布、投薬、関節内への注射、電気治療等々の治療を受けておられるにもかかわらず、症状が進行していかれることが多いようです。

腰痛にしろ、膝痛にしろ安静は必要ですが、家事などで動かないわけにはいかない、つまり負担をかけずには日常生活できないことが膝の特殊事情かも知れません。

 

 

ただ、「軟骨」が注目される膝関節ですが、その関節を動かしているのは「筋肉」です。

膝関節に関係する筋肉は、大まかな筋肉だけでも

大腿四頭筋群、ハムストリング筋、内転筋群、縫工筋、腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、膝窩筋などがあり、また腸脛靭帯も重要な働きをします。

膝関節に痛みのある患者さんには、必ずと言っていいほど、これらの何れかの筋肉に問題があります。

関節がスムースに動くには、伸筋と屈筋がバランス良く働くことが大切です。

簡単過ぎるかもしれませんが、筋肉が硬くなって伸び縮みが上手くいかないことで、痛みが生じる。だから、その筋肉を緩めることで痛みを軽くすることができるのではないかと。

 

先日、70歳代半ばの女性の患者さんから、箇条書きながらお手紙をいただきました。

膝関節の両方の膝頭が付かない程度のO脚変形があり、歩けるものの横揺れがあり、歩きにくそうな様子でしたが、

「谷本先生へ

・車の運転がしやすくなりました。

・靴がはきやすくなりました。

・歩きやすくなりました。

・お風呂に入ったり出たりがスムースになりました。

・外出するのが楽しくなりました。

・足の曲がりが(膝の変形が) 「く」の字から 「し」の字になりました。

いつもありがとうございます。」

このようなお手紙をいただけることが、私の何よりの喜びです。

この方も、決して膝を放置していたのではなく、治療に通われていたのですが、症状が改善されず変形が進行して結局は手術を勧められているとのことでした。

施術開始時には、着衣の上からでも判るほどの炎症からくる熱発がありましたが、今は落ち着いておられます。

膝関節を構成するものは、この他にも前後の十字靭帯や両側の側副靭帯も重要な働きをしますが、「軟骨」ばかりに注目が集まっている現状に対して膝関節に関係する各筋肉にも注意が、施術が必要であると思います。

また、この方が最近膝のレントゲン検査を2年ぶりに受けられたとの事。すると、2年前と比べて変形は進行していなかったとの診断を受けられました。

2年前には、まだ当院の施術は受けられておらず、膝の痛みが強かったために、手術を勧められて迷っておられたようです。

 

幸い、現在は痛みは治まって、膝周囲の筋力トレーニングにも取り組んでいただいています。

 

ただ、レントゲン検査結果は同じで、2年前は痛み、現在は痛んでいない。

やはり、レントゲン検査で映るものだけでは、判断できないと改めて思います。

 

膝の痛みに悩んでおられる方々の、お役に立てれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

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