膝にたまった水は、抜く?抜かない?

腕・脚

先日お見えになられた、60歳男性。現場仕事で、膝を少しねじったかな…と思っていたところ、段々膝の痛みが強くなってきて、整形外科で受診されたところ、いきなり注射で膝の水を抜かれた、とのことでした。

その後に、ヒアルロン酸を関節に注射されて、後はシップと鎮痛薬の処方。

膝の「保存療法」として、よくある例だと思います。

その直後は、膝の痛みが軽くなり、歩きやすくなったものの、翌日には再び痛み出したそうです。

それで、来院されました。

触診したところ、膝全体が腫れておられる。

いわゆる「膝に水がたまっている」状態です。

そもそも、なぜ膝に「水がたまる」のか?

もう一つ加えれば、なぜ「膝だけ」に水がたまるのか?

「水がたまる」のは、何らかの炎症があるからです。

身近な例では、蚊に刺された後のあの発疹です。蚊の唾液によってアレルギー性の皮膚炎を起こして、皮膚が部分的に水が溜まっている状態です。

膝関節内部に何らかの炎症が起きていて、それが原因で「水がたまります。」

加えて、膝関節自体が「水がたまりやすい」構造をしています。

また、関節を痛めたときには、「使わないこと」が治癒への早道になります。

足首の捻挫、ぎっくり腰、はては骨折や脱臼にしろ、初めの処置は安静と固定です。

ところが膝の場合、「使わない」=「寝たきり」ということになります。

無理…ですよね。

大半の方は、膝が痛くても通常の生活を送られます。立つ、座る、歩く、仕事を続ける。

その結果「水がたまる」ほど、悪化させてしまうのかも知れません。

膝が曲げられないほど、「水がたまって」いるなら、抜かざるを得ません。

しかし、炎症の原因が治まらない限りまた「水はたまり」ます。

それで、また水を抜く、たまる、を繰り返して俗に、「膝の水を抜くとクセになる」と言われます。

当然、この間も痛みは続いている場合が多いですから、鎮痛薬とシップ、電気治療などは継続されています。

そのうち、軟骨にトラブルが起きたり、変形が始まったりします。

では、どのようにしてその原因となっている部位を治めていくか。

前回お話ししたように、(5月14日の記事)まず周囲の筋肉の状態を確認します。

膝蓋骨の動きを滑らかにすることは、とても大切です。

次にじん帯の状態を確認します。

膝のじん帯は大きく4つあります。

膝の左右を支持する 内側・外側の側副じん帯 と 前後を支持する 前・後十字じん帯 です。

これらのじん帯は、体表からその一部が触診できます。

トラブルを抱えたじん帯も、やはり腫れていたり、硬くなっていたり、圧痛があります。

それらを、一つずつ丁寧に緩めていきます。

さらに、長期に痛んできた膝は、痛む部分を避けてきたためか、その動き自体にクセが出るようです。

シンプルに曲げ伸ばしができずに、ねじれるような動きが加わります。

これが、日本人に多いO脚変形の始まりなのでしょう。

そのねじれた動きを、正しい動きへ戻していきます。

冒頭の男性の患者さんの場合は、「後十字じん帯」に問題がありました。

そこを中心に施術したところ、痛みも落ち着き、水もたまらなくなられました。

炎症が落ち着けば、たまっている水も自然と吸収されていきます。

蚊に刺された後も、自然と治りますよね。

別の女性の患者さんは、O脚変形がかなりすすんでおられ、歩くのが億劫になられるほど痛みも出ておられましたが、施術後は痛みがなくなったと言われます。

そのお話はまた次回に・・・「正座は膝に悪い?」

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