指圧向きの身体・・・?
先日お越しになられた女性の患者さん。
三日前から、強い頭痛が起きて困っておられました。
鎮痛薬を服用すると、いつも副作用が出てしまうのでできれば使いたくないとのこと。
血圧も高めで推移されているようです。
ネットでのランキング1位のお店を検索して施術を受けに行かれたようでしたが、症状が改善されずに
以前、同じような症状がでられたときに、「指圧」で症状が軽くなったことがあったので、再度検索されて来院されました。
その時の指圧師に、「あなたの身体は、指圧向きですね…」といわれたとのこと。
触診してゆくと、体表に近い筋肉はそれほど強い「こり」ではない。
しかし、奥の、脊椎の傍の筋肉がとても固く、しなやかさを失っている。
ヒトの筋肉は、おおむね体表に近いほど大きくて長く、深部ほど小さくて短くなります。
背中では、体表に近い筋肉は背骨と他の骨(肩甲骨や腕の骨、頭蓋骨、骨盤)をつなげて運動を起こします。
僧帽筋、広背筋、頭蓋骨から脊椎全体を経過して仙骨までつなげている脊柱起立筋などです。
その下には、胸椎と頸椎をつなぐ板状筋があり、
さらにその下に脊椎数個をつなげる半棘筋があり、
その下に2~4個をつなげる多裂筋、
その下にすぐ上だけをつなげる回旋筋、棘間筋などがあります。
これらの筋肉は「インナーマッスル」と呼ばれて、最近のトレーニング理論でもその働きやコンディショニングが注目されている筋肉です。
これらの背骨周囲の深層にある筋肉が固くなり、しなやかさを失ってくると、様々な症状を引き起こすことがあります。
この患者さんの場合も、主に頸椎と上部胸椎の深部の筋肉を緩和させることで、頭痛の症状が軽くなっていただけました。
さらには、血圧も安定され、耳鳴りも軽くなられたようです。
体表の筋肉は、それほど「硬く」はない。
むしろ、やや「力」がないにその奥の筋肉は、いわば「ガチガチ」の状態。
昔から、「底凝り(そこごり)」といわれるタイプの方が、いらっしゃいます。
深部の筋肉を緩めるのに、揉みこんでしまうと、体表の筋肉は刺激過剰となり「揉み返し」などの痛みを引き起こします。
なので、これらのタイプの方は、「指圧向き」ということになります。
それでは、いかにこの深部の筋肉を和らげるか。
マッサージや按摩の身体のとらえ方が、体表に近い筋肉を「面」や「線」で捉えるのに対し、
指圧が「点」として、例えば第7頸椎と第1胸椎の関節面、など緩めるべき点、矯正するべき点、硬結のある点を絞って施術したい。
しかも、なるべく患者さんの負担にならないように「適量」の刺激で。
しかるべき「点」や「ツボ」を指圧する。
といっても、そこには
・着皮 (何を目標とするのか。1㎝ずれれば、まず効きません)
・圧の方向 (垂直に押すのが原則ですが、斜めに押したり、一度沈めて上に押す…など臨機応変です)
・圧の強さ (力任せでは、何も解決しません)
・持続時間 (患者さんの呼吸や波動に合わせて、押したり引いたり…)
・リズム (早めにサッサッとするのか、ゆっくりするのかで効果は異なります)
これらのことを総合して、一人ひとりの患者さんに適した「指圧」をしてゆきます。
その結果として、深部の筋肉でも緩めていくことが可能となります。
あなたのお身体は、「指圧向き」でしょうか?
