Rの日常・・・?
当院では、健康保険をつかっての訪問マッサージを行っています。
患者さんは、歩いて通院できない状態が対象となりますので、当然お身体が不自由だったり、寝たきりに近い方が多くなります。認知症の患者さんもおられます。老人性うつと診断されている方もおられます。
その中でも特に毎回「苦戦」をしてしまう患者さんが『R』さんです。
そもそも、今まで患者さんが施術を拒否するという前提は私の中ではありえなかったのですが、
「今日は寒いから、もうええわ」
「そんな短い時間だけ指圧されても余計にしんどなるだけで、寝た子を起こされるようなもんやんか!」
「今から紅茶飲みに行くのに、こんなときに来て何考えてるの?」
保険を使っての施術は、約20分から30分との目安があり、もちろんお約束の日時に伺っているわけですが。
そんな状態でも何とか施術を続けて来て、転倒による大腿骨骨折、接合手術後のリハビリは病院側に拒否されてしまわれても今では自力で車いす操作され、トイレもご自分で移乗できるまでには回復されています。
何よりも、施術開始前に比べて転倒の回数は随分減ってこられ、施術効果は十分あります。
機嫌がよい時には、にこやかに会話も可能で、「ありがとう」と
5分ほど、遅れてしまったときに「待ってるのに、なんで来ぇへんのよ!」と大きな声をだされることも
Rさんは、認知症ではないと思われます。いやむしろ、とても頭のいい方ではないかと、こちらの感情を逆なでする言葉を巧妙に投げかけてこられます。油断すると、私の感情が乱されます。だんだん、腹が立ってきます。
施術中は集中して、感情を乱さないように心掛けてはいますが、上手くいかないときもあります。
もうお断りしたいと思うことも度々ありましたが、これはひとつの私自身の「修行」ととらえて、これからも関わっていこうと思っています。
Rさんのおかげで、ヴァリデーションやユマニチュードといった介護理論に出会えたことも事実なので・・・
また報告します。Rの日常